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ブラジルにも進出した『みんなでケンテイ』のコミュニティファクトリー松本社長に聞く・・・北村勝利「モバイルゲーム屋が見るビジネスの未来」第21回

今回は大ヒットのmixiアプリ「みんなでケンテイ」を生み出したコミュニティファクトリーの松本龍祐社長に海外進出、それもブラジルといった急成長国への展開を果たした経緯と今後の展望についてを伺いました。―――まずはブラジルへの進出の背景からお聞かせ下さい。2009年ヨーロッパに旅行したときにブラジルの制作会社社長を紹介され知り合いになって「なにかおもしろいことができればいいね」という話からはじまりました。1年くらいSkypeなどでディスカッションする中で、徐々にSNSでのアプリ展開の話になりました。ですので最初のきっかけは偶然です(笑)―――ここでいうSNSとは?ブラジルのSNSですか?orkut(オーカット)というSNSです。Googleが運営しているSNSで、Facebookやマイスペースより早く2003年に開設されたサービスです。国によって使われ方が多少違うようですが、実名制のリアルなソーシャルネットワークですね。もともとはアメリカですが、ブラジルとインドで多くのユーザーに支持をうけています。「リアル」かつ競合がまだ少ないといった特徴があったことから、Orkutでの展開を進めることに成りました。―――すいません。Googleがそんなに早くSNSやっていたとは知りませんでした(汗)。具体的にどのようなソーシャルゲームを配信されているのでしょうか?『MeuPlaneta』という「惑星を作る」ことをテーマにしたソーシャルゲームです。2010年11月に投入、基本無料+アイテム課金モデルです。日本で配信したゲームをベースにブラジル向けにテーマやゲームバランスは作り直してローカライズしています。現段階ではPC向けです。―――ユーザーの嗜好性や遊び方の違いはありますか?日本との違いは大きいと感じています。思ったよりユーザーはアクティブですね。男女比は4:6。女性が多い。インストール数がまだ少ないので、アクティブユーザーでも数万人。全体に占めるアクティブは3~4割といった所です。リアルなソーシャルグラフではあるのですが、全体的にゲームが好きなユーザーさんが多いようです。Y!モバゲーとミクシィの中間のような動き方をしている、という印象です。―――では戦略面でお聞きしたいのですが、SAPとしては限られたリソースでどのプラットフォームでゲーム配信するか!?といった迷いが各社にあると思うのですが、いきなりのブラジル展開はかなり思い切った挑戦だと思うのですが、戦略や勝算は?Facebookに展開するのも、「自分の国ではない」という意味では同じように難しい挑戦だと思います(笑)多くのスタッフを抱え、すでに成功タイトルを持っているZyngaやPlayfishのようなライバルがいるFacebookで、これから展開して成功するのは難しいのではないか、と以前から感じていました。なので、Facebook以外でのプラットフォームに以前から興味がありました。そこできっかけは偶然の出会いなのですが、ブラジルの制作会社と知り合いまして、色々なリサーチを行いました。調べてみると、ブラジルは人口2億人で1人当たりのネット接続時間が世界一。つまりはネットに対する意欲が高い。また中国などよりはARPUも高いようです。もう一つはOrkutが「リアルなソーシャルグラフを持つプラットフォーム」だったという点があります。弊社は事業の中心に「リアルなコミュニケーション」を据えています。ですから、日本国内ではmixiがまず重要なプラットフォームですし、twitterやfacebookにも興味を持っています。確かに他社さんではあまり取られない選択かもしれないのですが、市場の大きさ、競合も含めた上での成功の可能性、ソーシャルグラフの質といったバランスを考えてチャレンジしました。―――なるほど。では今後のスタンスやビジョンという点ではいかがでしょう?第2弾、第3弾と続けてブラジルもしくはorkutでリリースしていくのでしょうか?それとも他の国での展開なども考えられているのですか?第一弾としてアプリをPCでリリースしましたが、やはり今後の海外展開としては、モバイルは外せません。国やプラットフォームにはあまりこだわらず、「モバイル」や「リアルなソーシャルグラフ」といったキーワードに当てはまる市場に積極的に展開していきたいと思っています。ブラジルのモバイル市場はまだ2Gが中心で普及にはもう少し時間が掛かりそうです。弊社海外展開第1弾として、PCの分野で様子見。今後はorkutがモバイル展開して、それなりのユーザ数を抱えるようになれば、ブラジルでも引き続き展開するかもしれませんし、先に他の国での展開があるかもしれません。モバイルインターネット、SNSの普及に関しては常にリサーチを行っています。―――興味深い取り組みです。先日ミクシィ社からの出資のニュースなどもありましたが、御社の成り立ちや戦略を教えていただけますか?私自身は2004年からSNSに取り組んでいました。当時スタッフとして参加していたSNSが中国の大手コミュニティサイトを運営する企業、今の人人網(レンレンワン)に買収されまして、それを機にまずはフリーランスとしてSNSのプランナーや運用コンサルタントとして仕事をしました。その後、Webコミュニティの構築やバイラルマーケティングを事業の中心に、2006年に「コミュニティファクトリー」を設立しました。―――ソーシャルアプリを始めたきっかけは?2007年から大学生向けのSNSプラットフォームを運営していまして、その会員増加施策としてソーシャルアプリに行き着きました。当時中国でソーシャルゲームを中心に据えた「開心網」(カイシンワン)というSNSが爆発的に会員を獲得していまして、そのアプリを研究して、独自プラットフォーム上で複数のアプリをリリースしました。その後ミクシィ社の「mixiファンド」に応募させていただいて、2009年4月に出資をして頂きました。このような状況なのでmixiのオープン化に際してはテストのときからアプリを出させてもらっていました。―――「みんなでケンテイ」が大きなヒットになりましたね。----―――「みんなでケンテイ」が大きなヒットになりましたね。お陰様で「みんなでケンテイ」は昨年5月のリリースから、たくさんの方に利用していただきました。リリース後いきなり中堅のポータルサイトくらいのトラフィックが来まして、最初は負荷への対応や、クラウドサーバーに慣れるまで勉強も必要で徹夜続きでしたね。多いときには1日最大20万人の登録があって、負荷が高すぎて、プラットフォームで常に新規会員登録が中止になっていました。。早朝はトラフィックが下がるので新規会員登録ができることが多く、「ケンテイをやるには明け方がいいらしいぞ」なんていう噂が出まわったりしました。(苦笑)。それからPC、スマートフォン(mixi touch)の順番でリリースしました。もともと弊社はPCの経験が多かったのですが、現在はモバイルでのアプリ提供が主体になっています。―――事業面での売り上げ構成は?収益の割合としては、アプリ内課金と広告の両方です。「みんなでケンテイ」は広告モデルです。ミクシィのアドプラグラムの算定が、PVからUU主体に移ったので多くの方が毎日ちょこっとだけ使う、「みんなでケンテイ」にとってはかなり追い風になりました。―――御社の専門性やこだわりで言うとSAPというよりもSNSプラットフォーム寄りですね。では、いろいろなSNS、プラットフォームを見た経験から伺いたいのですが、ミクシィとFacebook違いってどの辺だと思っています?よくFacebookは実名だからリアル、mixiはニックネームだからリアルじゃない、と言われます。ただ、実際には繋がっている相手が誰なのか認識できているかどうかが大事なのであって、実名かそうじゃないかは、一度友達になったら同じだけど、友達になるまでの見つけやすさが違う、という部分。リアルなソーシャルグラフという点では共通点が多いと思います。ただ、Facebookは実名ではありながら、mixiよりももっとオープンな側面が強いと思います。「なかよし」とコミュニケーションしやすいmixiと、より個人の公開プロフィールに近いFacebook。mixiでは会社の愚痴が言えるけど、Facebookでは言えなかったり。どちらが良い、悪いということではなく、使い分けられていくのではないかと思います。―――御社はmixiファンドが入っていますがソーシャルゲームについてはどういう見方をされていますか?ソーシャルゲームで稼ぐならば短期的にはゲームプラットフォームであるモバゲー・GREEの方がいい、というのが一般的な見方ではないでしょうか。ただ、弊社がミクシィに軸足を置いているのは長期的な戦略的に基づいています。モバゲーやグリーでSAPとして今後も長く戦い続けられるかというと、もともとゲーム会社ではない我々が大手パブリッシャーに勝てるかというと勝てないだろうし、独立したスタートアップの会社はそれなりの戦略を取らなくてはいけない、という危機感を持っています。mixiアプリで求められるのは、「ゲーム性」というよりも「コミュニケーション」の手段だと思っています。ソーシャルゲームではあるのですが、友だちと「ごっこあそび」をしていたり、内輪で楽しむためのネタ提供をしていたりする感覚です。ゲームでの興奮に惹かれるのではなく、友だちとのコミュニケーションが面白くて使っていただいているので、一度支持されたアプリの息は長い。新しい価値観を生み出さないといけないので難しいチャレンジではあるのですが、大手のゲーム会社が今まで取り組んでいた分野でもないので、十分チャンスがあると思っています。―――SNSの専門家として自社でプラットフォームを展開する戦略は無いのですか?自社プラットフォームに大変興味はありますが、ソーシャルグラフを作ることは考えていません。ネットワーク外部性の大変強いビジネスなので、既存のソーシャルグラフを置き換えることは大変難しいです。ゲームコミュニティやプラットフォームを作ることも、弊社のドメインとは違いますし。ソーシャルグラフを使った上での(その上の)プラットフォーム、いうなればプラットフォーム・オン・プラットフォームという概念はとても面白いですし、チャレンジしてみたいですね。―――ちなみにソーシャルグラフの使い方が上手いゲームってどういうカタチになりますか?何かイメージがあれば。現在、コミュニケーションに重きをおいて新しさを出しているのは『星空バータウン」でしょうか。シンプルだけれどもコミュニケーションを活性化させる仕組みが素晴らしいです。ああいうアプリを弊社でも生み出さなければ!と思っています。あとは厳密にはアプリとは違いますが、mixiの「日記」「あしあと」「赤字の表記」はユーザーがコミュニケーションを楽しんで、継続的に使うための要素がもれなく盛り込まれていると思います。実は日記が最強のソーシャルアプリですね。「なんでmixi日記にハマったんだろう」と考えていると、新しいソーシャルアプリの形が見えてくるかもしれません。まだまだ過渡期だと思いますので、様々なアプリが今後出てくると思っています。―――スマートフォンでKDDIが電話帳を使ったソーシャルグラフ構築に着手しています。ご専門としてはどう見ていますか?電話帳のソーシャルグラフはかなり正確なソーシャルグラフだと思います。更新性が高疎遠になるといつの間にかメアドが変わってソーシャルグラフが切れてしまったり(笑)。Androidは連携できる部分も大きいので、取り組んでみたいテーマでもあります。ただし電話帳の名前と番号だけではちょっと弱くて、ソーシャルメディアのアカウントと紐付けたり、+αで何か加えていく必要があるでしょうね。そこにゲーム性があると面白いですよね。『サンシャイン牧場」のような形なのか、「フォースクエア」のようなライトな形がいいのかわからないのですが、ちょっとした中毒性と幅広いテーマ性があれば面白い展開が出来るのではないかと思っています。―――スマートフォンについての取り組みを教えてください。Androidに特に注目しています。一般的なダウンロード型アプリと得点ランキングを中心としたSNS連携といったアプローチではないですが、もっとソーシャルグラフを活用した形でのスマートフォン展開を狙っていきたいです。スマートフォン分野では、現在はngmocoを取り込んだモバゲーが先行している感がありますね。一方で、友達とつながるために使われているmixiの強みもあります。コミュニケーションしたいというユーザーは繋がる事自体が目的ですからガラケーでもスマートフォンでもデバイスに関係なく使えないと困るんです。今後はガラケーからスマートフォンに移行するユーザーをどうフォローして取り込めるかが重要になっていくと思います。実は「みんなでケンテイ」のユーザーもスマートフォンのシェアが10%を超えて来ているんです。現在の状況としてスマートフォン10%、PC10%、残りがガラケーです。最近の若い女性のスマートフォン人気を見れば今後急激にシェアを増して行くと思います。―――すでに10%ですか。それは驚きです。では次に考えているソーシャルゲーム企画とかあればケンテイで培ったソーシャル性、バイラル性を生かしたゲームですね。「みんなでケンテイ」の仕組み自体は結構完成していまして、一つの診断・検定を遊んだ人が、何%ボイスや日記で情報発信して、それを見た人のうち何%がアプリに訪れるか、というそれぞれの数値をより高めるための施策を日々行っています。今度はそういったノウハウを活かしながら、ユーザーが毎日楽しめるソーシャルアプリやソーシャルゲームを作っていきたいです。位置情報系にも興味はあります。mixiチェックとアプリを連動させるようにした様な。ソーシャルグラフとリアルの連動が次に来るのではないかとイメージを持っています。mixiチェックはソーシャルグラフをリアルに持ち出す、というイメージです。サードパーティーが活用できる様になればぜひ取り組みたいですね。また、今年はアプリ以外のソーシャルグラフを活用したサービスが増えていくと思っています。mixi connectやFacebook connect、Twitter連携したような。それらのアプリではないソーシャルなサービスに対してもチャレンジしたいですね。―――なるほど。確かにmixiチェックは面白そうです。では最後になりますが5年後はどうなっていたいですか?ソーシャルグラフの上でのプラットフォームを作っていたいですね。ゲームだけではなくあくまでも創業の志でもあるコミュニケーションにこだわったサービスを手掛けていきたいと思っています。アプリビジネスの5年後がどうなっているかはわからないですが、「ソーシャル」というトレンドは5年後も確実に続いていると思います。我々は「ソーシャル」を一番活用するのがうまい、プロフェッショナルな存在でありたいと思っています。―――大変勉強になりました。長時間有難うございました。日々のニュースや動向はTwitter(@katz7777)で!

Published by  Published by xFruits
Original source : http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=3072...
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